2025年 02月 20日 (木曜日)
5.5 C
Tokyo

パリで開催中の「AIアクションサミット」人工知能の安全性と発展方向を巡る議論、米中の覇権争いも浮き彫りに

引用:Newsis
引用:Newsis

世界の主要国首脳と実業家らが集まり、人工知能(AI)エコシステムの安全性と発展方向を模索する「AIアクションサミット」が10~11日(現地時間)の2日間、フランス・パリで開催されている。AIのグローバル覇権競争が激化する中で開かれる今回のサミットで、有意義な合意が得られるかに注目が集まっている。また、韓国代表として参加する企業がAI業界の大物たちとどのような議論を交わすかも関心事だ。

11日のIT業界関係者によると、今回のサミットでは各国が倫理・民主主義・環境の観点から持続可能なAIのための約束を盛り込んだ共同宣言に署名することを目指しているが、AI技術をリードしている米国が「規制宣言」に近い共同宣言に同意しないのではないかとの見方が出ている。

米国の意図は、今回のサミットに参加するサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の発言から推測できる。アルトマン氏は8日(現地時間)、フランスの有力紙ル・モンドへの寄稿で、世界初の包括的AI規制法を制定した欧州連合(EU)に対し、「過度な規制中心の政策により、AI競争で後れを取る可能性がある」と警告した。彼は「EUの未来にとっての『実存的挑戦』の中心にAIがある」とし、「EUはAI技術発展のための環境を整備すべきだ」と主張した。AIが急速に進化し競争が本格化する中、開発速度を鈍化させかねない規制政策には同意しないという姿勢と解釈される。

中国のAIスタートアップ、ディープシークによる衝撃で激化した米中のAI覇権争いが、今回のサミットを通じて表面化する可能性もある。ディープシークがAI版「スプートニク・ショック」(旧ソ連が宇宙技術競争で米国に先んじた出来事)と呼ばれていることから、各国に有利な陣営を形成するための主導権争いが展開される可能性が高いとみられる。米国からはJ・D・ヴァンス副大統領が、中国からは張国清(ジャーン・グオチーン)国務院副総理が特使として出席する。

一方、今回のサミットに参加する韓国政府と企業がどのような成果を上げるかも注目されている。各国首脳はもちろん、AI業界の大物たちが参加するこの場で、新たな協力関係の構築に向けた議論が行われるとの見方が出ている。韓国科学技術情報通信部の劉相任(ユ・サンイム)長官は、世界で2番目に制定したAI基本法を共有し、デジタル包摂法の普及、「国際AI安全研究所ネットワーク」の議長国就任などを提案する予定だ。個人情報保護委員会の高鶴洙(コ・ハクス)委員長、キム・ミョンジュAI安全研究所長など政府関係者と、NAVERの崔秀淵(チェ·スヨン)代表、サムスン電子の田敬薫(チョン・ギョンフン)最高技術責任者(CTO)、LG AI研究院のキム・ユチョル戦略部門長らも企業代表として今回の会議に参加する。

特に企業代表が直接出席するNAVERの動向に注目が集まっている。崔代表は7日に開かれた昨年第4四半期決算発表の電話会議で、「グローバル大手テクノロジー企業のLLMなど、外部の様々なLLMとの協業の可能性は開かれている」と述べ、協力の可能性を示唆したためだ。今回のサミットにはOpenAI、Google、Anthropic、Mistral AIなど世界の主要AI企業の関係者が参加するため、これらの企業と会談し関連議論を進めるのではないかとの予測が出ている。NAVERは昨年7月、フランスのAIスタートアップMistral AIに投資し持分を取得している。

アクセスランキング

FRBウォラー理事「トランプ政権の関税は物価に限定的な影響」インフレ懸念を否定し、利下げ判断はデータ次第と強調

ウォラー氏はトランプ政権の関税が物価に与える影響は限定的とし、FRBの利下げ判断には不透明感があると指摘。

ウクライナ停戦に向けた米露直接交渉が始まる、ラブロフ外相と米国高官が首脳会談の可能性も視野に協議

ロシア外相と高官がウクライナ停戦に関する米国との会談のためサウジアラビアへ派遣される。

習近平主席、中国のIT企業トップらと会議…トランプ大統領に対抗して「AIの台頭」をアピール

習近平主席がIT企業トップと会談し、民間企業の重要性を強調。経済成長への支持を示唆した。

韓国の研究チームが開発したAIモデル「人工太陽」、核融合発電が1,000倍速くなる

核融合発電を加速するAIモデル「FPL-net」が開発され、シミュレーション速度が従来の1000倍に。

ウクライナ戦争終結に向けた米露接触前、米国が欧州同盟国に戦後安全保障保証参加案を提示

米国がウクライナ戦後の安全保障保証に関し、欧州同盟国への参加案を提示し、接触が進行中。

トピック

FRBウォラー理事「トランプ政権の関税は物価に限定的な影響」インフレ懸念を否定し、利下げ判断はデータ次第と強調

ウォラー氏はトランプ政権の関税が物価に与える影響は限定的とし、FRBの利下げ判断には不透明感があると指摘。

ウクライナ停戦に向けた米露直接交渉が始まる、ラブロフ外相と米国高官が首脳会談の可能性も視野に協議

ロシア外相と高官がウクライナ停戦に関する米国との会談のためサウジアラビアへ派遣される。

習近平主席、中国のIT企業トップらと会議…トランプ大統領に対抗して「AIの台頭」をアピール

習近平主席がIT企業トップと会談し、民間企業の重要性を強調。経済成長への支持を示唆した。

韓国の研究チームが開発したAIモデル「人工太陽」、核融合発電が1,000倍速くなる

核融合発電を加速するAIモデル「FPL-net」が開発され、シミュレーション速度が従来の1000倍に。

ウクライナ戦争終結に向けた米露接触前、米国が欧州同盟国に戦後安全保障保証参加案を提示

米国がウクライナ戦後の安全保障保証に関し、欧州同盟国への参加案を提示し、接触が進行中。

韓国の小規模事業者、戒厳令と経済低迷の影響で売上急減…3か月でカフェ業界は約10%減少

カフェ業界は消費縮小の影響で売上が急減し、多くの小規模事業者が閉店に追い込まれている。

マーベル最新作『キャプテン・アメリカ4』、初日から12万人以上の観客を動員

新作『キャプテン・アメリカ4』が公開初日に12万人超を動員し、好評を得て興行収入首位スタート。

トランプ発鉄鋼「関税爆弾」、戦略的対応策を策定すべき…日・米に鉄鋼関税免除を要請

トランプ政権の関税政策に対し、韓国政府は戦略的な対応が求められている。日本の動きが影響を与える可能性も。

関連記事