2024年 11月 23日 (土曜日)
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麻薬犯罪組織の暗躍により治安悪化のエクアドル、治安強化に向け軍の役割拡大を問う国民投票実施

エクアドル全域で治安対策強化のための国民投票実施 投票日前後にも各自治体のトップへの襲撃相次ぐ 引用:ロイター・連合ニュース/エクアドルの国民投票所 [ファイナンシャルニュース]麻薬犯罪組織の暗躍により治安が悪化しているエクアドルは、1月に政府が犯罪組織へ事実上の宣戦布告を行ったが、21日(現地時間)、治安対策強化に向け軍の役割を拡大することへの賛否を問う国民投票が行われた。現地では投票日前後にも刑務所長や自治体トップが殺害されるなど混乱が続いている。 「CNN」などの外国メディアによれば、エクアドル全国の投票所で、1800万人の人口のうち1300万人の有権者が参加する国民投票が開始された。今回の国民投票での設問は、△麻薬組織の討伐作戦への軍投入 △テロ、殺人などの犯罪に対する罰則強化 △マネーロンダリングの防止 など、憲法改正を伴わないものを含め計11項目である。 エクアドルは、10年以上にわたり、麻薬組織流入に伴う組織的な凶悪犯罪に苦しんできた。世界的なコカインの生産地として知られ、コロンビアとペルーに挟まれた立地は、欧米へ密輸する際の中継地として利用されている。 昨年8月の大統領選挙では、候補者の1人で汚職や犯罪組織を追及してきたビジャビセンシオ氏が武装グループの襲撃を受け死亡した。ビジャビセンシオ氏の死後の背後には、メキシコの犯罪グループの関与も取りざたされたが、逮捕されたのは全員コロンビア人だった。主犯格の男は1月に刑務所から脱獄し、エクアドル全体を混乱に陥れ、さらに刑務所では連日暴動が発生した。 10月の決選投票では、ダニエル・ノボア氏がエクアドルでは最年少の35歳で大統領に当選したが、上記の脱獄直後に犯罪組織が公共放送局を占拠するなど混乱が続いたため、国家非常事態を宣言した。その後、内戦状態を宣言して正式に軍を動員し、犯罪組織の掃討に乗り出した。 21日の国民投票当日にも混乱が続いた。この日、エクアドルの中西部ヒピハパ(Jipijapa)では、刑務所所長が死亡している状態で発見された。目撃者たちは、オートバイに乗った不審者たちが銃撃したと証言している。 さらに、17日には南部のカミロ・ポンセ・エンリケス(Camilo Ponce Enríquez)市で市長が不審者の銃撃で死亡したが、19日にも他の都市で市長が銃殺される事件が発生しており、現地の警察は17日から19日の事件をすべて犯罪組織の犯行とみている。