幼少期に家出し、連絡が途絶えていた父親から、結婚時にのみ金銭的支援を受けた男性が、その父親から扶養料請求書を受け取ったという話が報じられた。
16日、YTNラジオ『チョ・インソブ弁護士の相談所』(韓国語原題訳)で、最近闘病中の実父から「扶養料審判請求」を受け取ったという45歳の男性A氏の事例が紹介された。
父親はA氏が14歳の時に家出し、事実上連絡が途絶えていた。A氏は幼い頃から新聞や米の配達、ガソリンスタンドでのアルバイトでお金を稼がざるを得なかった。絵を描くことが好きだったが、厳しい家庭環境のため美術を専攻できなかった。結局、夢を諦めてセメント会社に就職し、現在まで勤務している。その間、父親は一度も連絡せず、内縁関係の女性と暮らし、子供まで育てている。
しかし、結婚の際には父親に連絡せざるを得なかった。A氏の結婚を知った父親は喜び、「家賃の足しにしてくれ」と数千万ウォン(数百万円)を渡した。経済的に苦しかったA氏は、父親からの金銭を結婚資金に充てた。
それから約10年後、A氏は父親から「扶養料審判請求」を受け取った。A氏は「父は入院中で、内縁の女性とも別れ、一人で闘病しているという。扶養料をどうすべきか悩んでいる」と相談した。
ソン・ウンチェ弁護士は「成人した子供が親の経済的扶養を行わない場合、扶養料調整申請や扶養料審判請求が可能だ。ただし、子供に無条件で扶養料支払いを求められるわけではない」と説明した。
さらに「現在、扶養請求権を制限する法的根拠はないため、裁判所は判決時に可能な限り公平性を考慮する。過去に親による子供の虐待や扶養放棄があったかなどを調査した事例もある。扶養権者の道徳的義務履行状況を考慮する傾向が強まっている」と述べた。
ソン弁護士は「A氏の場合、父親が家出後どの程度援助したか、現在の経済状況、A氏の収入、A氏の家族扶養に要する費用、借入金の有無などを詳細に調べる必要がある」とし「A氏は結婚時に父親から家賃支援を受け、その後も交流があったようだ。A氏に経済的余裕がある場合、少額でも扶養料支払いが認められる可能性が高い」との見解を示した。