2025年 02月 09日 (日曜日)
2 C
Tokyo

フーシ派が拘束した船舶の乗組員を解放、トランプ大統領は和解的態度のフーシ派を再度「外国テロ組織」に指定

引用:ロイター通信
引用:ロイター通信
引用:AFP通信
引用:AFP通信

イラン主導の「抵抗の枢軸」の一員として最後まで戦い続けていたイエメンの反政府勢力フーシ派が、拘束していた貨物船の乗組員を解放し、紅海での攻撃中止を宣言して和解の姿勢を示した。しかし、新たに発足したアメリカの第2期トランプ政権は、反政府勢力フーシ派をテロ組織に指定し、圧力を強化し続けている。

現地時間22日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、反政府勢力フーシ派はこの日、自動車運搬船「ギャラクシー・リーダー号」の乗組員を解放したと発表した。反政府勢力のアアブドルマリク・アル・フーシ最高指導者は演説で「パレスチナのガザ地区との連帯と停戦協定支援のため、乗組員を解放した」と述べた。

この船舶はイスラエルの海運会社が所有するが、英国領マン島に本社が登録されている「レイ・カー・キャリアーズ」の所有船である。拉致事件当時は日本の海運会社日本郵船が運航していた。

反政府勢力フーシ派は中東の親イラン組織ネットワーク「抵抗の枢軸」に属し、2023年10月に同じ「抵抗の枢軸」に属するガザ地区の武装組織ハマスがイスラエルとの戦争を開始すると即座に介入した。紅海南部に拠点を置くフーシ派は、スエズ運河を通過するイスラエルの船舶を攻撃すると主張したものの、まもなくアメリカをはじめとする西側諸国の船舶を無差別に攻撃し始めた。フーシ派は2023年11月19日、ヘリコプターと高速艇を使用して紅海を通過中の「ギャラクシー・リーダー号」を拿捕し、乗組員25名と船舶を拘束していた。

フーシ派は、ハマスだけでなくイランとレバノンの武装組織ヒズボラがイスラエルとの戦闘を続ける中、引き続き紅海を通過する船舶への攻撃を続けた。2隻の船舶が沈没し、少なくとも100隻以上の船舶が被害を受けた。これを受け、アメリカをはじめとする西側諸国は昨年から連合艦隊を編成し、紅海の警備に乗り出した。アメリカとイギリスはフーシ派に対し260回以上の空爆を実施。その間、多くの国際海運会社がスエズ運河を迂回する形に航路を変更し、これにより莫大な金銭的・時間的損失を被った。

フーシ派の立ち位置は、ヒズボラが昨年11月にイスラエルと停戦し、ハマスも今月19日に停戦に入ったことで徐々に孤立していった。フーシ派は20日の声明で、ハマスが停戦を開始したことを受け、今後イスラエルを除くアメリカやイギリスなど他国の船舶を標的とした攻撃を制限すると表明した。フーシ派のアル・フーシ指導者は22日、停戦が失敗した場合には攻撃を再開する可能性があると警告した。

20日に第2期目を開始したアメリカのドナルド・トランプ大統領は、フーシ派の融和的な態度にかかわらず強硬策を講じた。22日、大統領令を通じてフーシ派を「外国テロ組織(FTO)」に指定するよう指示。同時に国務省と米国国際開発庁(USAID)に対し、フーシ氏を支援または擁護する団体への援助と支援事業の中止を命じた。トランプ大統領は「フーシ派の活動は中東におけるアメリカの民間人と軍人の安全や、我々の最も親しい地域パートナーの安全、世界の海上貿易の安定性を脅かしている」と述べた。

アメリカ政府の管轄下にある組織および個人は、FTOリストに掲載された対象に対し、武器や装備だけでなく、訓練や金融など様々なサービスを含む「物質的支援や資源」を提供することが禁じられている。アメリカのバイデン政権は2021年、当時7年目を迎えていたイエメン内戦の被災者に人道支援物資を届けるため、FTOリストからフーシ派を除外していた。

引用:AP通信
引用:AP通信

アクセスランキング

充電バッテリーの機内持ち込みは規制できず…火災事故を受け、韓国の航空各社が対策へ

韓国の航空会社がエアプサンの火災事故を受け、充電バッテリー管理を強化。乗客の自主確認が鍵に。

台湾TSMC、米国による関税圧迫に価格引き上げのカードを切るか…対するサムスン電子の反応は?

TSMCが先端半導体の価格引き上げを検討中。サムスン電子は競争力を強化し、シェア拡大を狙う。

アメリカ・求人件数が急減…昨年12月は予想を下回り、今後の労働市場に危機感

米国の求人数が昨年12月に予想を下回り、労働市場の悪化が懸念されている。

米中間の貿易戦争、休戦の可能性はかなり低いか…JPモルガンが今後の展開を分析

JPモルガンは米中貿易戦争の悪化を警告し、休戦の可能性は低いと分析している。

為替防衛により韓国の外貨準備高が9ヶ月ぶりの大幅減少!「一時的」との見方も

韓国の外貨準備高が約46億ドル減少し、為替防衛のための使用が影響したことが報告された。

トピック

充電バッテリーの機内持ち込みは規制できず…火災事故を受け、韓国の航空各社が対策へ

韓国の航空会社がエアプサンの火災事故を受け、充電バッテリー管理を強化。乗客の自主確認が鍵に。

台湾TSMC、米国による関税圧迫に価格引き上げのカードを切るか…対するサムスン電子の反応は?

TSMCが先端半導体の価格引き上げを検討中。サムスン電子は競争力を強化し、シェア拡大を狙う。

アメリカ・求人件数が急減…昨年12月は予想を下回り、今後の労働市場に危機感

米国の求人数が昨年12月に予想を下回り、労働市場の悪化が懸念されている。

米中間の貿易戦争、休戦の可能性はかなり低いか…JPモルガンが今後の展開を分析

JPモルガンは米中貿易戦争の悪化を警告し、休戦の可能性は低いと分析している。

為替防衛により韓国の外貨準備高が9ヶ月ぶりの大幅減少!「一時的」との見方も

韓国の外貨準備高が約46億ドル減少し、為替防衛のための使用が影響したことが報告された。

欧州株式市場が世界最高上昇率を記録!米国のテクノロジー株から欧州の高級ブランド株へ資金流入が加速

欧州株式市場が1月に最大上昇率を記録し、投資家が米国から欧州へ資金をシフトしている。

「IQが高い人々は自分自身を騙しているだけ」ビル・ゲイツ氏、仮想通貨に対して否定的な見解示す

ビル・ゲイツ氏が仮想通貨に否定的見解を示し、自伝を発表することを語ったインタビュー内容。

中国の「ディープシーク」への規制強化、各国が続々とプライバシー侵害のリスク調査を開始

ディープシークに対するプライバシー規制が広がり、EUや米国での使用禁止令が発表された。

関連記事