
ピョン・ヨンジュ監督が映画『火車 HELPLESS』を通じて共に仕事した俳優の故イ・ソンギュン氏とのエピソードを公開し、彼への思いを語った。
今月24日、YouTubeチャンネル「シネドライブ」にて公開された動画にはピョン監督とパン・ウンジン監督が出演し、故イ・ソンギュン氏について振り返る様子が映った。
ピョン監督は2012年に自ら演出した映画『火車 HELPLESS』の撮影現場を思い出しながら話を始めた。
彼女は「龍山(ヨンサン)で重要な最後の撮影があった。その時、時間と予算の問題で俳優たちがいくつかの動線でタイトに撮影を進めなければならなかった」と説明した。
続けて、「その時ソンギュンが私に『15分だけくれ』と言いながら『感情は変わるかもしれないが、動線を合わせる』と話した」と振り返った。
そして「龍山の撮影が終わり、疲れている時にソンギュンから電話が来て『そのまま帰るつもりか。戻ってこい』と言われた」と、刺身店で一緒に酒を酌み交わしたエピソードを思い出した。
ピョン監督は「ソンギュンは味方のような気持ちにさせてくれる俳優だった。そんな俳優は多くない」とし、「ソンギュンを失ったことは韓国映画を作る監督たちにとっては同志を失ったことだと思う」と残念がった。
そして『火車 HELPLESS』の原作者である小説家の宮部みゆきとの縁も語った。
ピョン監督は「原作小説家である宮部みゆきさんが韓国映画『火車 HELPLESS』を最も好きと言っているが、それはイ・ソンギュンの『火車 HELPLESS』でもある」とし、「『イ・ソンギュンとまた一緒に作業をしてほしい』と彼女の他の小説『理由』のシナリオも渡そうとしたが、その時イ・ソンギュンが亡くなってしまった」と明かした。
続けて「ある日、出版社の代表が宮部さんの代わりにソンギュンの墓に挨拶に行きたいと電話してきた」とし、「イ・ソンギュンはいないが『理由』をもう一度渡すから映画にしてほしいと言った」と伝えた。
そして「私には『理由』という小説の映画化権があるが、これはすべて『火車 HELPLESS』を共にした出演者やスタッフのおかげだ」と付け加えた。
ピョン監督は故イ・ソンギュン氏が亡くなったことに対する怒りも表した。
彼女は「検察、警察がまだ許せない。おそらく一生許せずに生きるだろう」と吐露し、パン監督も「今後このようなことが絶対にあってはいけない」と強調した。
1999年にデビューした故イ・ソンギュン氏はドラマ『白い巨塔』、『コーヒープリンス1号店』、『パスタ~恋が出来るまで~』などで名を馳せた後、映画『火車 HELPLESS』、『最後まで行く』などをヒットさせた。
2019年にポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』がカンヌ国際映画祭パルム・ドールとアカデミー賞の作品賞を受賞し、グローバルトップスターの仲間入りを果たした。
故イ・ソンギュン氏は2023年10月から薬物投与の容疑で警察の捜査を受けていた。内偵段階から彼の実名が報道され、3回にわたり公開召喚調査を受ける中で無理な強圧捜査の論争が起きた。
特に同年12月23日に行われた3度目の調査は19時間続き、翌日の早朝にようやく終了した。
故イ・ソンギュン氏は簡易試薬検査と韓国・国立科学捜査研究院の精密鑑定で全て薬物陰性判定を受けた。「覚醒剤だとは知らなかった」と語った彼は、死亡の前日まで嘘発見器を使った追加調査を求めるなど、容疑を否定し続けた。
しかし3度目の調査を受けてから3日後の2023年12月27日、故イ・ソンギュン氏はソウル市成北区(ソンブク区)にある臥龍公園(ワリョン公園)近くに停められた車の中で亡くなっているのが発見された。彼の死により薬物投与の容疑事件は公訴権なしで終結した。
