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23年ぶりの高金利凍結、FRB内で年末まで金利引き下げ待機の意見浮上

米連邦準備制度理事会(FRB)のミネアポリス連邦銀行総裁ニール・カシュカリ氏が先月7日、カリフォルニア州ビバリーヒルズで開催されたミルケン・コンファレンスでスピーチをしている。/写真提供=ロイター通信

23年ぶりの最高レベルとなる政策金利(5.25~5.5%)を7回連続で凍結している米連邦準備制度理事会(FRB)内で、金利を下げるには今年の年末まで待つべきだという意見が出てきた。

米FRBのミネアポリス連邦銀行のニール・カシュカリ総裁は、現地時間の16日、米CBS放送に出演し、金利引き下げのタイミングについて言及した。彼は、FRBが今年中に1回の利下げを実施し、この措置は12月まで実施されない可能性があるという市場の一般的な予想は、合理的な予測であると考えられると述べた。また、「インフレが2%の目標に向かって減速していることを確実に確認するためには、さらなる証拠が必要だ」と主張した。

今年12月、FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)会合の終了後、現行の政策金利レンジを5.25~5.5%に維持し、FOCM委員らのドットチャートを公開した。ドットチャートは、FOMC委員らが各年の年末を基準に適切と考える金利の見通しを点で示したものだ。

FOMC委員らは、3月に公開したドットチャートで、今年3回の金利引き下げを予想していた。しかし、委員らは12日のドットチャートで、今年の金利が下がるとしても1回にとどまると見込んだ。今年のFRBのFOMC会議は、7月、9月、11月、12月の4回が残っている。

カシュカリ総裁は、FRBが人工的にお金を供給して市場に介入するべきではないと主張し、金利引き上げによって通貨供給を減らすべきだと考えるいわゆる「タカ派」の人物だ。彼は昨年のFOMC会議で金利投票権を持っていたが、今年は持っていない。

カシュカリ総裁は、「我々は何らかの決定をする前に時間をかけ、さらに多くのインフレや経済、労働市場に関する指標を追加で確保できる良い位置にいる」と強調した。彼は、FRBが2022〜2023年に金利を積極的に引き上げ、家庭や企業の借り入れを抑制したにもかかわらず、米雇用市場が強固であることに驚いたと述べた。カシュカリ総裁は、「ゆっくりと冷却過程を経て、バランスの取れた経済に戻ることができることを願っている」と述べた。彼は高金利による住宅市場の冷却について、「今すぐに住宅所有を支援するために金利を引き下げると、住宅価格が上昇するだろう」と説明した。さらに、金利引き下げにより、「住宅の購入が容易になるわけではない」と分析した。

カシュカリ総裁は、「我々ができる最善の方法は、インフレ率を目標値に下げることであり、その後、経済の供給面でアメリカ国民が必要とする住宅建設のために行動することを期待している」と述べた。

今月12日に公開されたアメリカの5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.3%上昇し、4月の上昇率および市場予想(3.4%)よりも低く、FRBの2%の目標値に近づいた。タカ派に分類されるカシュカリ総裁と同様に、今年のFOMC投票権を持つFRBのクリーブランド連邦準備銀行のロレッタ・メスター総裁は14日のインタビューで最近のインフレ率について言及した。

彼女は、「金利を引き下げるためには、肯定的なインフレ指標を数ヶ月間さらに見る必要がある」と主張した。メスター総裁は、「インフレ率を2%に完全に戻すには時間がかかるだろう」と述べ、「2026年までには2%に達しないかもしれないが、進展は続くだろう」と語った。彼女は、「それならば、金利を下げ始める時が来たと言えるだろう」と評価した。

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