約3時間の待機を経て、NVIDIAのCEOジェンスン・フアン氏の基調講演会場に入場できた。良い席を確保しようと小走りで進む人が増えたため、現場の警備員は事故防止のため大声で秩序を守るよう呼びかけた。
6日(現地時間)、米ラスベガスのマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターで開催されたCEOジェン・スン・フアン氏の基調講演では、熱心な取材陣の姿だけでなく、一般参加者の人工知能(AI)への関心の高さも窺えた。
警備にも特別な注意が払われていた。帽子をかぶった参加者は帽子を外して見せる必要があり、警備担当者は基調講演の参加者のバッグを一つ一つ入念にチェックしていた。
この光景はCES関係者にとっても異例だった。10年以上マンダレイ・ベイでセキュリティを管理してきたある従業員は「基調講演のためにここまで長蛇の列ができるのを見るのは初めてだ」と驚きを隠せなかった。
世界各地から集まった報道陣の取材競争も激しさを増していた。
CEOジェン・スン・フアン氏の出身地である台湾のメディアは、待機列を背景に次々とリポートを撮影。サンリTVなどは、NVIDIAのCEOジェン・スン・フアン氏が台湾出身でTSMCの主要パートナーであることを強調した。
従来の半導体強国だけでなく、ペルー、ノルウェー、フィリピンなど様々な国のメディアも「AI皇帝」が基調講演で何を語るのかに注目していた。
国内のIT・セキュリティソリューション企業をはじめ、マイクロソフト(MS)の開発者、慶北(キョンブク)大学など大学関係者まで、「ジェン・スン・フアン現象」をより間近で体感しようと、長蛇の列に並ぶ労を厭わない様子だった。
基調講演会場は1万人以上を収容できる規模だった。記者が入場した際には、ポップ歌手ハリー・スタイルズの「ウォーターメロン・シュガー」が流れていた。照明はNVIDIAのシンボルカラーである緑とオレンジ、そして白色の光が交錯していた。