2024年 11月 21日 (木曜日)
10.5 C
Tokyo

Tag: 医学

関節リウマチ治療薬、バイオ医薬品企業セルトリオンの「ジムペントラ」で米臨床試験を申請

韓国のバイオ医薬品企業セルトリオンは、自己免疫疾患治療薬「ジムペントラ(成分名インフリキシマブ)」の関節リウマチ(RA)の適応症(特定の薬剤などによる治療の効果が期待できる病気を指す ...

開頭手術なしで脳腫瘍の手術が可能…ガンマナイフ手術に注目

脳腫瘍とは、一般に頭蓋骨の内部に発生するすべての新生物(できもの)の総称で、脳の実質だけでなく、脳を包む膜(髄膜・硬膜)や脳に出入りする神経などさまざまな部分に発生するすべての腫瘍をあわせて脳腫瘍と呼び、一言で脳腫瘍といってもその種類は非常に多いのが特徴だ。そのため、位置ごとに与えられた機能が異なり、場合によっては一度損傷すると、完全な回復は難しいこともある。 韓国の慶熙(キョンヒ)大学病院神経外科のパク・ボンジン教授は、「脳腫瘍の代表的な症状である頭痛は、すき間のない空間に脳腫瘍ができることで、脳の圧力を高めるためだ」とし、「日常生活でよくおこる偏頭痛とは異なり、脳腫瘍による頭痛は、夜明け頃に悪化する特徴を示している」と6日説明した。 これは、眠っている間に呼吸量が減少し、血液中の二酸化炭素が増加するため脳血管が拡張し、血液が脳に集中するためだ。 保健医療ビッグデータ統計によると、脳腫瘍の診断を受けた患者は年々増加している。しかし、髄膜・硬膜に発生する髄膜腫をはじめとして、髄外発生の下垂体腺腫、神経鞘腫は基本的に良性だ。 悪性の脳腫瘍は、他の臓器や体の部位のがんが脳に転移して発生する転移性脳腫瘍がもっとも一般的だ。 脳は大きく△前頭葉 △頭頂葉 △側頭葉 △後頭葉 △小脳の5つの領域に分けることができる。 症状は腫瘍の発生位置によって異なる。発病原因はまだ明確にはわかっていないが、遺伝子変異、放射線や化学物質の影響、外傷、ウイルス、ホルモン変化などが発病リスク要因として推定されている。 良性の脳腫瘍は、悪性に比べて発生率は高いが、進行速度は遅く、症状がなかったり、腫瘍の大きさが小さかったりする場合は、手術を行わずに経過観察とすることもある。しかし、小さくても脳と脊髄に重大な損傷を与える可能性もあるため、頭部CTやMRIなどの画像をもって専門医との相談を通じ、治療の要否を決定しなければならない。 パク教授は、「脳腫瘍のもっとも効果的な治療法は、腫瘍を直接切除することだ」とし、「脳腫瘍は位置や大きさ、良性・悪性の有無、再発の頻度によって治療の難易度と効果が異なるため、怖いと思って治療を先延ばしにするよりも、手術経験が豊富な専門の医師に診てもらうことが治療の第一歩だ」と述べた。 また、開頭手術なしに行われるガンマナイフ手術も治療法として定着してきている。X線よりもさらに波長の短い電磁波であるガンマ線ビームを集中照射させる放射線治療で、これまでは直径3 cm以下の脳の⽐較的⼩さな病変に対して行われたが、近年は照射精度の向上や分割照射の導入に伴い、治療部位や体積によっては、直径が3 cm以上あっても治療可能な場合も増えてきている。患者の身体的問題により開頭手術が困難な場合はガンマナイフ手術を考慮したほうがいいだろう。 パク教授は、「ガンマナイフ手術は、周囲の脳組織の損傷とそれに伴う合併症や副作用を最小限に抑えることができ、回復が早い」と述べ、「特に病変が小さければ小さいほど放射線を十分に照射でき、治療効果が高い」と述べた。 脳腫瘍は良性であっても時間が経つと徐々に大きくなり、周囲の脳組織や神経などを刺激したり圧迫する可能性があるため、腫瘍が大きくならないようにすることが重要だ。 様々な研究結果を見ると、良性腫瘍のガンマナイフ手術治療結果は、腫瘍の成長抑制において開頭手術治療と等しく、むしろ合併症も少ないと報告されている。

朝より夕方の運動が効果的?血糖改善をスペイン研究チームが発表

肥満または過体重である場合、夕方に中高強度身体活動(MVPA)を行うことが血糖値を下げるのに最も効果的であるという研究結果が公開された。夕方に中高強度の運動を行うことが、血糖値を下げるのに効果的である。 スペインの研究チーム、肥満・過体重の成人186人を対象に研究 スペイン・グラナダ大学のヨナタン・ルイス教授チームは、11日、米国肥満学会(TOS)の学術誌「Obesity」で、肥満・過体重の人を対象に運動効果を実験した結果、夕方の運動が血糖コントロールに最も効果的であることを発表した。 研究チームによると、この結果は、血糖値を常に安定させるためには運動の量だけでなく、時間帯も関連していることを示している。臨床で運動療法を処方の際には、最適な運動時間帯も一緒に考慮すべきだと説明している。 また、研究背景について、中・高強度の運動がインスリン抵抗性の発症リスクが高い、肥満・過体重の成人の血糖調整を改善する効果があることは知られているが、このような運動をいつ行うのが効果的か、いまだ不明確であることを挙げている。 研究チームは、グラナダとパンプローナに住むBMI32.9㎏/㎡(約81ポンド/平方フィート)の肥満・過体重の成人186人(平均年齢46歳)を対象に、14日間、手首に装着するデバイスで身体活動と血糖の変化を測定した。 参加者を三つのグループに分け、1日の中・高強度の運動量のうち50%以上を午前中に行った朝のグループと、正午から午後6時まで行った午後のグループ、午後6時から真夜中まで行った夕方のグループと設定し、運動時間帯と血糖の変化の関連性を分析したのだ。 「夕方の運動が血糖値を下げる効果あり。実験で確認」 分析の結果、夕方に中・高強度の運動を50%以上行うと、非活動的な場合に比べて昼と夜、1日の血糖値がすべて低くなることがわかった。 夕方の運動グループは非活動的なグループに比べて1日の血糖値が1.26㎎/dL(約22.6mg/dL)低く、昼間の血糖値は1.10㎎/dL(約19.8mg/dL)、夜間の血糖値は2.16㎎/dL(約38.9mg/dL)低かった。 また、この関連性は血糖調整障害のある参加者により強く現れ、男性と女性の両方で同様の関連パターンが見られた。 研究チームは、この結果が夕方により多くの中・高強度の運動を行うことが肥満や過体重、代謝障害があり、座って生活する大人の血糖調整の改善に役立つことを示していると説明した。 研究を主導したルイス教授は「この研究結果は、精密運動処方の重要性をよく示している」とし、「臨床で処方する運動・身体活動プログラムの効果を高めるためには、最適な運動時間帯を一緒に考慮すべきだ」と述べた。