国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長は、北朝鮮の平安北道(ピョンアンブク道)に位置する核開発施設内の実験用軽水炉が稼働している兆候が引き続き観測されていると明らかにした。
また、咸鏡北道(ハムギョンブク道)の核実験場では新たな核実験の準備が進んでおり、これは国連安全保障理事会の決議に違反すると指摘した。
「自由アジア放送(RFA)」はグロッシー事務局長が、3日にオーストリアのウィーンで開催されたIAEAの定期理事会にて、昨年12月から寧辺(ヨンピョン)核施設では活発な動きが見られ、実験用軽水炉の稼働状況が確認できる間欠的な冷却水排出も観測したと述べたと4日に報じた。
グロッシー事務局長は、寧辺核施設内の5メガワット原子炉および遠心分離濃縮施設の稼働の兆候も同様に把握されているとした。
また、昨年2月末に始まった北朝鮮の秘密核施設とされる降仙(カンソン)団地の別館工事が外観上完成したと説明した。降仙団地ではウランを濃縮して核兵器用核物質を生産しているとみられている。
国内外の専門家たちは、最終決定だけを残した7回目の核実験は、遅くとも9~10月中に行う可能性が非常に高いとみているが、正確な時期は把握できていない。なお、7回目の核実験は、実際に使用可能な小型化・軽量化した実用的な核兵器の威力検証実験になるとみられている。