
ロシア・ウクライナ戦争の終戦交渉が進む中、北朝鮮軍捕虜の帰順に向けた協議も急務となっている。政府はウクライナに協力を要請しているが、ウクライナの最終判断は依然として不透明だ。
23日、外交筋によると、ドナルド・トランプ米大統領は最近、ロシア・ウクライナ戦争の終戦協定締結に向けた交渉が進行中だと明らかにした。
終戦が目前に迫る中、政府はウクライナとの北朝鮮軍捕虜の帰順協議を加速させている。これまで水面下で協議を進めてきた政府だが、最近では公然と協力を求めるようになった。チョ・テヨル外相とキム・ヨンホ統一相は「北朝鮮軍捕虜は憲法上我が国民であり、韓国行きを希望する者は全員受け入れる」とし、「関連法令に基づき必要な保護と支援を提供する。ウクライナ政府の積極的な協力を要請する」と述べた。
ウクライナ側も北朝鮮軍捕虜の帰順に前向きな姿勢を示している。駐韓ウクライナ大使のドミトロ・ポノマレンコ氏はキム統一相との会談で、戦争捕虜の人権保護を重視した「ジュネーブ条約」に言及し、協議の意思を表明した。ジュネーブ第3条約では、戦争捕虜は終戦後直ちに本国に送還されるべきだが、送還により捕虜が不利益を被る可能性がある国の場合、希望する場所に送ることができるという条項が含まれている。
しかし、ウクライナの積極的な協力が確約されているわけではない。終戦後の捕虜交換交渉でロシアが北朝鮮軍捕虜を自国軍人だと主張し、送還を要求する可能性があるためだ。その場合、ウクライナは自国軍捕虜の返還のために交渉に応じる可能性が高い。
一方、ロシアのセルゲイ・ショイグ国家安全保障会議書記は21日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記と会談した。終戦までの追加派兵や武器支援など、軍事協力を継続する関係を誇示したものとみられる。特に、この場で北朝鮮が戦争捕虜の北送を要請した可能性があるとの見方も出ている。