フランスの総選挙で第一党になることが確実視されていた極右の国民戦線(RN)が3位に留まった一方、左派連合が1位、エマニュエル・マクロン大統領のアンサンブルが2位の結果となった。
過半数には届かないものの、今回の総選挙で第一党になることが確実視されていたRNは、一転暗い雰囲気に包まれた。
左派連合、1位
ファイナンシャルタイムズ(FT)などの外信によると、現地時間の7日に行われたフランス総選挙の決選投票では、中道政党が極右の台風を一旦鎮静化させた。
世論調査会社イプソス、イフォップ(Ifop)、オピニオンウェイ、エラベ(Elabe)などの出口調査結果によれば、左派連合とアンサンブルが1位と2位を記録し、極右政党のRNは3位に終わる見通しだ。
5つの左派政党が結集した左派連合の新人民戦線(NFP)は、この総選挙で合計170~215議席を確保することが出口調査結果で示された。全577議席の過半数である289議席には届かないものの、NFPが第一党になることが予想される。
当初、「惨敗」が懸念されていたマクロン大統領の与党アンサンブルは、少なくとも小規模政党へ転落するという最悪のシナリオからは免れた。アンサンブルは140~180議席を獲得し、第二党になる見込みである。確かに前回の議席数約250議席には及ばないが、それなりに防衛を果たした。
RN、3位に終わる
衝撃を受けたのは、今回の総選挙で第一党になることを期待していたRNだ。
イプソスの出口調査では、RNは132~152議席に留まると予想された。確かに2年前の総選挙で獲得した89議席に比べて議席数を大幅に増やすことには成功したが、世論調査で予想外の圧倒的な1位を記録し、勢いを増していたため喜びよりも衝撃が大きかった。
CNNによれば、RNのパリ選挙本部では、投票が終わるとすぐにパーティーを開く予定だったが、出口調査結果が発表されると、党員たちの雰囲気が陰鬱に変わった。難民の流入に苛立つフランス国民の反移民感情の中で、RNが今回の総選挙で第一党になり、政府を構成できるという期待が泡沫になった瞬間だった。
共和国戦線の勝利
RNが予想に反し決選投票で第一党を獲得できないかもしれないという意見は、既に5日に発表された世論調査で出ていた。
当時、イプソスが発表した世論調査では、RNは先月30日の第一回投票で選挙区を席巻したような政党ではなかった。NFPとアンサンブルが連合戦線を構築し、RNを牽制し始め、極右が第一党になることを恐れた市民が阻止に立ち上がったため、状況が変わり始めた。
この総選挙の結果は、また、2日にNFPとアンサンブルの「必殺技」が通じたという意味でもある。
当時、NFPとアンサンブルは、極右の国民戦線に対抗するためにいわゆる「共和国戦線(front republicain)」を構築した。決選投票の候補者登録締め切り日である同日、第一回投票で3位を記録した候補者たちを辞退させた。
中道派の有権者の票が分散するのを防ぎ、極右が政権を取るのを何としても防がなければならないという切迫感による戦略であり、二回目の決選投票で見事にヒットした。