NY株式市場が18日(現地時間)急落した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が来年の利下げ条件が厳しくなると示唆したことで、投資家の売り圧力が高まった。
株価が大幅上昇していたため利益確定売りの誘因が大きい中、パウエル議長のタカ派的発言が投資家の売り圧力に拍車をかけた。
市場上昇を牽引してきたテスラを含むマグニフィセント・セブン(M7)銘柄が軒並み急落した。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均は、10営業日連続で下落し4万3,000ドルの大台を割り込み、S&P500とナスダック総合指数もそれぞれ6,000ポイント、2万ポイントを下回った。
「ウォール街恐怖指数」は74%超急騰した。
全面安
NY株式市場は全面安となった。
ダウは前日比1,123.03ドル(2.58%)安の4万2,326.87ドル、S&P500は178.45ポイント(2.95%)安の5,872.16で取引を終えた。
ナスダック総合指数は716.37ポイント(3.56%)安の1万9,392.69で引けた。
中小型株指数のラッセル2000も102.57ポイント(4.39%)安の2,231.51で終了した。
「ウォール街恐怖指数」と呼ばれるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は74%急騰した。VIX指数は1日で11.75ポイント(74.04%)上昇し、27.62を記録した。
米国債利回り4.5%突破
国債利回りの急騰が後半のNY株式市場の下落を加速させた。国債利回りの上昇は、将来の収益に依存度が高いテクノロジー企業の将来収益予想の現在価値を押し下げる。
指標となる10年物米国債利回りは0.123ポイント急騰し4.506%に達した。心理的節目である4.5%を突破した。
10年利回りは住宅ローン金利から自動車ローン金利、預金金利に至るまで、ほぼすべての金融商品の基準金利としての役割を果たす。世界の金融市場における指標金利の役割も担う。
市場のFRB金利見通しを反映する2年国債利回りは0.107ポイント上昇し4.348%となった。
M7急落
マグニフィセント・セブン(M7)と呼ばれる大型ハイテク銘柄が軒並み急落した。
17日まで3営業日連続で過去最高値を更新していたテスラが特に大きく下落した。
テスラは39.73ドル(約5,980円、8.28%)安の440.13ドルで取引を終えた。
Appleは5.43ドル(約820円、2.14%)安の248.05ドル、マイクロソフト(MS)は17.07ドル(約2,570円、3.76%)安の437.39ドルで引けた。
NDIVIAは一時4%近く上昇する場面もあったが、最終的に下落に転じ、1.48ドル(約220円、1.14%)安の128.91ドルで取引を終えた。
Alphabet Inc.は7.02ドル(約1,060円、3.59%)安の188.40ドル、Amazonは10.63ドル(約1,600円、4.60%)安の220.52ドルで引けた。
Metaは22.25ドル(約3,350円、3.59%)安の597.19ドルで取引を終えた。
国際原油価格、3日ぶりに反発
国際原油価格は3日ぶりに反発した。
米国の原油輸出が3週間ぶりに増加し、石油在庫が減少したことが原油価格上昇の要因となった。
ただし、FRBが来年以降の利下げに慎重な姿勢を示したことから、上昇幅は限定的だった。
国際指標原油のブレント原油先物は、来年2月引き渡し分が前日比0.20ドル(約30円、0.27%)高の1バレル=73.39ドルで取引を終えた。
米国産原油指標のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、来年1月渡しが0.50ドル(約75円、0.71%)高の1バレル=70.58ドルで引けた。