ニューヨーク株式市場のナスダック指数は16日(現地時間)、テスラが史上最高値を更新し、カスタムAI半導体のブロードコムが急騰したことを受け、3取引日ぶりに過去最高を記録した一方、大型優良株30銘柄で構成されるダウ工業株30種平均は8営業日連続で下落した。
ニューヨーク市場の重心が再びハイテク株にシフトしている。
この日、カスタムAI(人工知能)半導体企業のブロードコムが11%超の急騰を見せ、テスラも6%以上上昇するなど、ハイテク株が強い動きを見せた。
一方、AI銘柄の代表株であるエヌビディアは12日以降3日連続で下落し、調整局面に入った。
ナスダック、再び最高値更新
ナスダックは11日以来、3取引日ぶりに過去最高を更新した。
ナスダックは前日比247.17ポイント(1.24%)高の2万173.89で取引を終えた。
ハイテク株と大型優良株がバランスよく含まれるS&P500指数も22.99ポイント(0.38%)高の6074.08で終了した。
一方、ダウ平均は110.58ポイント(0.25%)安の4万3717.48で取引を終え、5日以来8営業日連続の下落となった。
勢いを増すテスラ、調整局面入りのエヌビディア
エヌビディアとテスラの明暗が分かれた。
ドナルド・トランプ次期米大統領の勝利に決定的な役割を果たしたイーロン・マスク氏率いるテスラは、この日、電気自動車補助金の廃止が予定通り実施される可能性が高いことが確認され、6%以上上昇した。
大統領職引き継ぎ委員会がトランプ次期大統領に廃止を提言したとの報道があった。
前日にはウェドブッシュ証券がテスラの目標株価を515ドルに引き上げていた。
テスラは最終的に26.79ドル(6.14%)高の463.02ドルで取引を終え、過去最高値を更新した。
一方、中国のAI台頭を阻止するための行政措置が発表されるたびに打撃を受けているエヌビディアは、ついに調整局面に入った。
エヌビディアは2.25ドル(1.68%)安の132.00ドルで取引を終え、3日連続の下落となった。
エヌビディアは先月19日に記録した過去最高値148.88ドルから11.33%下落した。過去最高値から10%以上下落すると、一般的に調整局面に入ったとみなされる。
量子コンピューター関連株が急騰
量子コンピューター関連株は強い動きを見せている。
量子コンピューターの実現を阻む主要な障害の一つを克服したと評価されるアルファベットは、2日間の下落から反転し、この日大きく上昇した。アルファベットは6.78ドル(3.54%)高の198.16ドルで取引を終えた。
量子コンピューターのスタートアップ、クオンタム・コンピューティングは4.38ドル(65.25%)高の11.08ドル、イオンキューは7.98ドル(23.59%)高の41.81ドルまで急騰した。
国際原油価格が下落
先週後半に上下動を繰り返していた国際原油価格は、この日下落した。
週末の上昇から一転して、この日は下落に転じた。
世界最大の石油輸入国である中国の石油需要が、景気刺激策にもかかわらず期待ほど回復しないとの懸念が原油価格を押し下げた。
国際原油価格の指標となるブレント原油の来年2月引き渡し分は前日比0.58ドル(0.78%)安の1バレル=73.91ドルで取引を終えた。
米国産原油の指標となるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)先物の来年1月引き渡し分も0.58ドル(0.81%)安の1バレル=70.71ドルで終了した。