10日(現地時間)、米国株式市場は消費者物価指数(CPI)nの発表を翌日に控えた警戒感と、半導体セクターの低迷が影響し、小幅な下落で取引を終えた。ダウ工業株30種平均は前日比0.35%、S&P500指数は0.3%、ナスダック総合指数は0.25%とそれぞれ下落した。
11日、LS証券のアナリスト、ファン・シネ氏は、10日の米国株式市場について、取引序盤に堅調な推移を見せたが、その後下落に転じたと分析した。ファン氏は「市場は堅調な11月の全米独立事業主連盟(NFIB)小企業楽観指数や、アルファベットによる新型量子コンピューターチップの発表を受けて上昇して始まった」と語ったが「その後CPIの発表を翌日に控えた警戒感と半導体業界の低迷が続き、下落に転じた」と説明した。また、国債利回りのわずかな上昇も株価の下押し要因になったと分析している。
半導体業界全体の弱さはエヌビディアの影響が大きいと指摘されている。ファン氏によれば、「エヌビディアは2.7%下落し、前日の中国の独占禁止法調査への懸念が続く中、TSMCの11月の業績が前月比12.2%減少し、セクター全体が劣勢となった」と説明した。TSMCはこの日、3.6%下落して取引を終えた。
ファン氏は、「11月のNFIB小企業楽観指数は101.7ポイントとなり、市場予想の94.6ポイントを大きく上回り、前月(93.7ポイント)比でも約8ポイント急上昇した」と言及し、「今後の景気に対する楽観論が急増し、2020年6月以来の最高値を記録し、指数上昇を牽引した」と述べた。特に「事業拡大に適した時期」との回答や「今後の売上に対する楽観的見方」など、将来に対する自信が全般的に高まっている。この点についてファン氏は「NFIB側は、経済政策の大幅な変更を予告した選挙結果が小企業の間で楽観論を刺激したと説明し、力強い経済成長とインフレ圧力の緩和に加え、企業に優しい税制や規制政策への期待が背景にある」と語った。
さらに、「市場は11日(現地時間)に発表予定の11月CPIについて、前月比0.3%上昇、前年同月比2.7%上昇を予想している」と述べ、「最近の物価上昇率の鈍化傾向が落ち着く中、市場予想は10月(前月比0.2%上昇、前年同月比2.6%上昇)と比べて上昇幅の拡大を見込んでいる」と予測した。
米国債利回りは、CPI発表への警戒感を背景に、小企業楽観指数の急上昇による懸念を反映して小幅に上昇した。2年債利回りは4.14%で1.8ベーシスポイント上昇、10年債利回りは4.23%で2.5ベーシスポイント上昇した。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチによると、連邦準備制度理事会(FRB)が12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を25ベーシスポイント引き下げる確率は85%を維持しているという。