2024年 11月 21日 (木曜日)
11.2 C
Tokyo

「NAVER」離れが加速?NAVERとのシステム分離作業は早急に実施…資本関係の見直しは言及を避ける

引用:LINEヤフー公式ウェブサイト

コミュニケーションアプリ「LINE」の運営会社であるLINEヤフー株式会社の韓国IT大手「NAVER」離れが加速している。18日の定時株主総会で、システムの構築などさまざまな面で依存していたNAVERへの委託関係を終了させることをあらためて表明した。

■NAVERとのシステム分離作業は早急に

LINEヤフーの出澤剛CEOは、この日本社で開かれた定時株主総会で、セキュリティ対策強化に関連する質問を受け、「NAVERクラウドに委託したLINEヤフーの社用システム、認証基盤との分離作業は今年中に終える方向で進めている」と発表した。また、「2026年中に予定されていたNAVERクラウドとLINEヤフーのグループ会社間の共通システムの分離も前倒しする予定だ」と付け加えた。

昨年11月にNAVER傘下企業がサイバー攻撃を受けたことで、「LINE」アプリ利用者の個人情報なども大量に漏洩した。総務省はこれに関連し、LINEヤフーに対して3月と4月に異例となる2度の行政指導を行った。3月に行った行政指導において、再発防止策の実施などに関する初回の報告を4月26日までに提出するよう求め、LINEヤフーは4月1日、再発防止策を提出したが、内容が不十分だとして2度目の行政指導を行い、再報告を要求していた。

出澤CEOはNAVERとの「資本関係の見直し」に関する具体的な回答は避けた。NAVERはLINEヤフーの親会社「Aホールディングス」の株式をソフトバンクとともに50%ずつ保有する大株主だ。総務省は2度の行政指導を通じて、NAVERとの関係が資本的な支配を受ける関係のため、委託する業務の管理監督が不十分であったと指摘し、資本関係の見直しなどについても言及していた。しかし、出澤CEOは「親会社同士の話であるため、資本関係について決定できる立場にはない」と回答を避け、「資本関係の見直しを含めた動きがある場合には迅速に公表する」と述べた。

また、今後のNAVERとの関係について、「業務委託方式について再検討を行っている」とし、「今後のサービス開発および運営の委託等に関しては終了または縮小する方針である」と明らかにした。

韓国の業界関係者からは「LINEヤフーからすると、総務省の行政指導があったため、早急にシステム分離等の対応を行いたいだろうが、NAVERとしては当然LINEヤフーの海外事業に対する主導権を持ちたいと考えている。また、NAVERなしにソフトバンクの技術力だけではサービスを運営するのは難しく、関係を完全に断ち切るということはできないだろう」という意見があがっている

■ソフトバンクの株主総会にも注目が集まる

また、同日の株主総会で、LINEの生みの親と呼ばれるシン・ジュンホCPO(最高製品責任者)が取締役から外れたことも大きなニュースとなった。

LINEヤフーは、取締役を7人から6人にする再編案を株主総会に提出し、承認された。シン氏はLINEヤフー取締役会の唯一の韓国人メンバーであり、事実上NAVERを代表する立場にあったが、これにより取締役会のメンバーはすべて日本人となり、「NAVER離れ」が現実化したとの評価も出ている。

そのため、日韓の業界関係者の間では、ソフトバンクが20日に開く株主総会にも多くの注目が集まっている。

総務省の行政指導に則り7月1日に提出される対策報告書には株式売却など資本関係見直しに関する内容は含まれていないとみられるが、以降、株式売却の可能性も含め、NAVER-ソフトバンク間で深い議論を行わなければならず、ソフトバンクのメッセージに注目が集まっている。

アクセスランキング

トランプ再選による世界株式市場への影響、ニューヨーク株は堅調に推移

トランプ前大統領の勝利でニューヨーク株式市場は好調だが、世界の株式市場は苦境に立たされている。

NewJeansへの「いじめ」疑惑、韓国雇用労働部が職場内いじめに該当しないと判断

NewJeansのメンバーがHYBEで受けたいじめ疑惑に対し、労働部は法的に労働者とは見なし難いと結論。

スピリット航空、破産保護申請で運航継続へ…3億5,000万ドルの株式投資と8億ドルの債務再編

スピリット航空が破産保護を申請。巨額の負債と競争激化が原因で、運航は継続される。

中国がトランプ次期大統領の関税政策に反発、米防衛産業への深刻な影響を警告

トランプ氏の60%関税がアメリカの防衛産業に深刻な影響を及ぼす可能性があると中国が警告。

米原子力潜水艦「コロンビア」釜山に入港、韓米の防衛態勢強化を推進

アメリカ海軍の原子力潜水艦コロンビアが釜山に入港し、韓米海軍の協力を強化する方針を発表。

トピック

トランプ再選による世界株式市場への影響、ニューヨーク株は堅調に推移

トランプ前大統領の勝利でニューヨーク株式市場は好調だが、世界の株式市場は苦境に立たされている。

NewJeansへの「いじめ」疑惑、韓国雇用労働部が職場内いじめに該当しないと判断

NewJeansのメンバーがHYBEで受けたいじめ疑惑に対し、労働部は法的に労働者とは見なし難いと結論。

スピリット航空、破産保護申請で運航継続へ…3億5,000万ドルの株式投資と8億ドルの債務再編

スピリット航空が破産保護を申請。巨額の負債と競争激化が原因で、運航は継続される。

中国がトランプ次期大統領の関税政策に反発、米防衛産業への深刻な影響を警告

トランプ氏の60%関税がアメリカの防衛産業に深刻な影響を及ぼす可能性があると中国が警告。

米原子力潜水艦「コロンビア」釜山に入港、韓米の防衛態勢強化を推進

アメリカ海軍の原子力潜水艦コロンビアが釜山に入港し、韓米海軍の協力を強化する方針を発表。

高齢者の握力が糖尿病発症リスクに影響、筋力の重要性が明らかに

65歳以上の高齢者は握力が弱いほど糖尿病リスクが高まり、筋力強化が予防に効果的とされる。

中国の結婚件数が過去最低に迫る、少子化の深刻化が続く

中国の結婚件数が急減し、2024年は1985年以来最低の660万組になる見込み。少子化が深刻化。

ニューヨークで話題のモルモット料理、エクアドルの伝統を味わう

ニューヨークのレストランでエクアドルの伝統料理・モルモットのローストが人気を集めている。

関連記事