

引用:日本経済新聞
世界的に「Jホラー」ブームを巻き起こした小説『リング』の著者、鈴木光司氏が68歳で死去した。
今月11日、朝日新聞と時事通信社などのメディアによると、故人は今月8日、都内の病院で持病により亡くなったという。具体的な死因は遺族の意向で公表されていない。
1957年静岡県生まれの故鈴木氏は、慶應義塾大学・仏文科を卒業した後、1990年に小説『楽園』でデビューした。彼の名をJホラーを世界的な文化現象へと押し上げたのは翌年に発表された長編小説『リング』だった。
「呪われたビデオテープを見た者は7日後に死ぬ」という単純かつ強烈な設定は、都市伝説と現代技術を融合させた独創的な恐怖を生み出した。特に1998年、中田秀夫監督が映画化した『リング』で、長髪の怨霊「貞子」がテレビ画面から這い出るシーンは、世界のホラー映画史に残る象徴的なイメージとなった。
故人の作品は国内のホラー小説ブームを超え、国際的な現象となった。『リング』は韓国(1999年)とハリウッド(2002年、『ザ・リング』)で相次いでリメイクされ、アジアのホラー作品が欧米市場に本格進出する契機となった。
彼は単なる恐怖だけでなく、『らせん』、『ループ』と続く『リング』シリーズでウイルスや仮想現実など科学的要素を取り入れ、ホラーの概念を再定義した。1995年に『らせん』で吉川英治文学新人賞を受賞した。2013年には小説『エッジ』でアメリカの権威あるジャンル文学賞「シャーリイ・ジャクスン賞」を受賞し、文学性も認められた。
そして「文壇最強の子育てパパ」の異名を持つ彼は、高校教師だった妻に代わり、毎日二人の娘を保育園に送迎し、家事と子育てを担当した経験をエッセイにまとめ、優しく家庭的な一面も見せていた。
故人は昨年3月、約16年ぶりの新作ホラー小説『ユビキタス』を出版し、衰えぬ創作意欲を示した。この作品は最近韓国語にも翻訳出版された。
故鈴木光司氏の訃報に、国内の文壇と映画界は「現代ホラーのあり方を変えた巨匠を失った」」と追悼の声が相次いでいる。