
AIが生成した楽曲がアメリカのBillboardチャートで1位を獲得した。
今月13日(現地時間)海外メディア「USAトゥデイ」、「ユーロニュース」などによると、AIで生成された歌手「ブレイキング・ラスト」の楽曲「Walk My Walk」がアメリカのBillbaordのカントリーデジタルソングセールスチャートで1位を達成した。
このチャートはアメリカで最もダウンロードされた楽曲のランキングである。今月13日時点で「Walk My Walk」は音楽ストリーミングサービス「Spotify」で350万回以上再生された。
さらに、「Livin’ on Borrowed Time」、「Whiskey Don’t Talk Back」などこの歌手が生成した他の曲もそれぞれ400万回と100万回の再生回数を記録するなど人気を集めている。
実際、AIが生成した歌手がBillboardのチャートにランクインしたのは今回が初めてではない。今年9月にはAI R&B歌手であるザニア・モネが生成した「Let Go, Let Go」がゴスペルチャートで3位、「How Was I Supposed To Know」がBillboardチャート20位を記録した。
カントリー音楽専門メディア「Whiskey Riff」の編集者アーロン・ライアン氏は海外メディア「NPR」とのインタビューで「このような楽曲の問題点は誰が作曲したのかを見つけるのが難しいということだ」とし、「作曲と音楽の真正性を非常に誇りに思うアメリカのカントリー音楽界ではAI生成音楽に対する反発が強いだろう」と指摘した。
しかし、ユーロニュースは「歌手の創作物がAIであるという事実にファンは気にしていないようだ」と指摘した。
ブレイキング・ラストがInstagramアカウントにて公開した動画には「声がとても良い」、「作曲の実力が素晴らしい。もっと聴きたい」といったコメントが多く寄せられ、ブレイキング・ラストがAI歌手であることを認識していない様子だった。さらには歌手の叙情的な雰囲気を称賛し、歌手にツアーをリクエストする場合もあった。
このような状況を裏付けるように、フランスのストリーミングサービス「ディーザー」が「イプソス」とグレートブリテン王国及びイギリス8カ国に住む9,000人を対象に実施した調査では約97%の人々がブラインドテストで人間が演奏した音楽とAI生成音楽を区別することに失敗した。
AI歌手が人気を集めるケースが増える中、音楽業界は著作権侵害や人間の創作者の生計の脅威などの問題を懸念している。
今年2月にはグレートブリテン王国及イギリスでアニー・レノックス、デーモン・アルバーン、レディオヘッドなど1,000人以上のアーティストがAI企業が同意なしに著作権のあるコンテンツを使用できるようにする政府政策に抗議し、「Is This What We Want?」というタイトルで空のスタジオとコンサートホールの音が収録された無音アルバムをリリースした。