
人々は親友よりも犬との関係により満足感を得ているという研究結果が発表された。この研究は、愛犬が人間の生活の中でさまざまな役割を果たし、子供と親友という関係性が融合した独特の存在として認識される傾向が強いことを示している。
ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学(ELTE)のエニコ・クビニイ教授の研究チームは、今月23日に727人を対象に犬の飼い主と犬との関係を子供、親友、恋人、最も近い親戚と比較してこのような結果を導き出したと報告した。研究結果は科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
この研究は「犬-人間関係、人間-人間関係の類似点と相違点(Similarities and differences between dog-human and human-human relationships)」というタイトルで、「毛むくじゃらの赤ちゃん」から頼もしいパートナーまで、犬が飼い主の生活でどのような役割を果たしているかを探った。
研究チームは、かつて家畜として働いていた犬が西洋社会で「子供の代替的な存在」として見なされる貴重なパートナーとなったが、犬が人間関係の中で果たす具体的な社会的な役割についてはほとんど知られていないと指摘した。
そこで、犬の飼い主717人に対して、子供、恋人、最も近い親戚、親友など4人の人間パートナーと愛犬との関係性を評価するためのアンケート調査を実施した。
関係性は、伴侶関係(companionship)、親密感(intimacy)、養育感(nurturance)、満足感(satisfaction)、対立(conflict)、敵対感(antagonism)、権力関係(relative power)など13項目に分けて質問を設けた。
研究チームは、人間関係は親密感を与えて支援する恋人、養育感と関係の安定性をもたらす子供、対立が少ないパートナーである親友など、さまざまな役割を果たすパートナーで構成されていると報告し、これらの人間関係を犬との関係と比較した。

犬の飼い主たちは犬との絆に対し最も満足度が高いと評価し、「最高のパートナー」と答えた。そして、犬がすべてのパートナーの中で自分のことを最も愛してくれる存在であると感じていることが明らかになった。さらに、子供のように養育感と関係の安定性において犬を高く評価した。親友のように敵対感や対立のレベルが最も低いパートナーとしても評価した。
ただし、相手に対して感じる力の不均衡は、人間のパートナーとの関係よりも犬との関係ではるかに大きいことが分かった。これは、犬に対して高いレベルの統制力を持っていることを意味すると解釈される。
研究を主導したクビニイ教授は「犬との関係では対立が最小限に抑えられ、社会的な支援が強く、他の生物の生活を完全に統制できる独特の機会を提供する非常にポジティブな関係である」と述べ、「犬は子供たちの遊び友達であり、良いルームメイト、若い独身者の親友、若い夫婦にとっては子供のような存在、そんな夫婦に子供が生まれれば兄弟姉妹のような存在、子供が独立した親の孫、そして一人暮らしの高齢者にとってはおそらく最も重要な社会的な支援の源となるだろう」と強調した。
続けて「人間関係とは異なり、犬の飼い主はほとんどの場合、決定を下す際に犬に対して完全な統制力を保持しており、これは高い満足感をもたらす」とし、「生物に対する統制力を持つ権力の非対称性は犬を飼うことの根本的な側面である」と述べた。