

ホン・サンス監督は20日午後(現地時間)、第75回ベルリン国際映画祭で単独でフォトセッションに臨んだ。妊娠中の恋人、キム・ミニと共にドイツ・ベルリンへ同行したことが話題となったホン監督だが、この日は新作『その自然が君に何と言うのか』が競争部門に選出されたことを受け、ドイツ行きの飛行機に搭乗した。
この日のイベントには、主演俳優のハ・ソングク、クォン・ヘヒョ、チョ・ユンヒ、カン・ソイが出席したが、制作室長として参加したキム・ミニは欠席した。
記者会見はドイツ・ベルリンのグランドハイアットホテルで行われ、ホン監督は「映画を作るきっかけは、俳優カン・ソイから両親が田舎で鶏を飼育しているという話を聞いたことだ」と語った。さらに、「私が『与えられたもの』と呼ぶものが最も重要だ。その時与えられたものは、これらの人々がそこにいたということだ」と語った。
一方、家族に焦点を当てた理由について問われた際には、「私は映画をメッセージを伝えるための手段として始めることはない。例えば、『この話を伝えたいからこの素材を使おう』とは考えない」と語った。続けて、「映画の細部は、ある意味で私の意図を反映したものだが、それが一つの考えを表現するための道具ではない」とし、映画がどのような意味を持つのかについて語ることに常に躊躇していると明かした。
ホン監督はまた、「多様な立場や固定観念、非言語的表現が交錯しており、観客には自分自身の視点で異なる要素を選び取って鑑賞してもらいたい」と述べた。『その自然が君に何と言うのか』は、30代の詩人ドンファが偶然、恋人ジュンヒの家を訪れる出来事を描いた作品で、ホン監督にとって33本目の長編映画となる。
ホン監督はベルリン映画祭との縁が深く、1997年にデビュー作『豚が井戸に落ちた日』がフォーラム部門に招待されて以来、今年までに計12本の映画が招待されている。2017年には『夜の海辺でひとり』で銀熊賞(主演女優賞、キム・ミニ)を受賞し、2020年には『逃げた女』で銀熊賞(監督賞)、2021年には『イントロダクション』で銀熊賞(脚本賞)、2022年には『小説家の映画』で銀熊賞(審査員大賞)を受賞した。
