米連邦準備制度(Fed)のジェローム・パウエル議長は7日、ドナルド・トランプ次期大統領からの辞任要求に応じるかとの質問に「応じない」と明言した。
この発言は、FOMC(連邦公開市場委員会)が政策金利を0.25ポイント引き下げ、4.50〜4.75%に設定した後の記者会見でのものだ。
選挙結果を受け、辞任の可能性について問われた際、パウエル議長は「大統領にはFed議長を解任する法的権限がない」と述べ、自身の任期が2026年5月15日までであることも言及した。
さらに、大統領選の結果が短期的にFRBの政策決定に影響を与えることはないと述べた。
一方でトランプ次期大統領は選挙戦の過程で、FRBの金融政策に介入する意向を示唆する発言をしており、懸念が広がっている。トランプ氏は「大統領はFRBの金利政策に影響を及ぼすことができる」という見解を示していた。
パウエル議長は「経済には多くの要因が影響し、大統領であっても長期的予測は非常に難しい」と指摘した。「現時点では今後の政策変更の時期や内容は不確かであり、そのため経済への影響も予測できない」とも付け加えた。
また、「雇用最大化と物価安定という目標にとって、どの政策がどれほど重要かは現時点では分からない」とし、「我々は推測も予測も仮定もしない」と強調した。
ただし、「どの政権や議会の政策も時が経つにつれ、経済に影響を及ぼす可能性がある」とし、「これは我々の二つの目標達成にとって、重要になり得る」と述べた。