半導体産業の復活を目指す日本政府が、国内企業で構成される半導体合弁会社「Rapidus(ラピダス)」に補助金を支援しているが、ラピダスが推進している2ナノメーター(1ナノメートル=10億分の1メータ-)の開発・量産計画が失敗に終わるという予測が出てきた。
70代の最高経営陣が率いるラピダスをはじめとする日本の半導体産業が、急速に変化する半導体産業のトレンドや技術競争に遅れをとっており、設計の難易度が急激に上昇した超微細プロセスの開発・量産過程で限界に直面すると指摘されている。
28日、関連業界によると、現代ビジネスは最近、「税金1兆円を注ぎ込んだ半導体会社ラピダスが大失敗する3つの理由」というタイトルの記事で、「最先端の2ナノロジック半導体の量産を目指すラピダスの夢が実現するとは思えない」と明らかにした。
日本政府が主導し設立したラピダスは、トヨタ、キオクシア、ソニー、NTT、ソフトバンク、NEC、デンソー、三菱UFJ銀行などの大企業8社が合弁で設立した半導体会社だ。
経済産業省は、韓国や台湾などに譲渡した半導体の主導権を奪還する目標の下、ラピダスに昨年から1兆円規模の補助金を支給すると約束し、大規模な支援策を展開している。
ラピダスは、2025年までに2ナノプロセスチップを試作し、2027年から本格的な量産に入るというロードマップを提示した。しかし、「現代ビジネス」は、このようなラピダスの計画における不安要素として高齢の経営陣を挙げた。
東哲郎ラピダス会長と小池淳義最高経営責任者(CEO)はともに70代で、ラピダスの経営陣に復帰する以前は半導体の現場から離れていた。これに対し、現代ビジネスは、「技術革新が速い半導体業界で70代のコンビが『最先端の半導体を量産し、世界一になる』という野心的なプロジェクトを率いるのは無理だ」と述べた。
同誌が指摘するラピダスの別のリスクは、超微細プロセス技術力の欠如だ。現在、ファウンドリー業界の最先端プロセスである3ナノを量産しているのは、業界1位の台湾TSMCとサムスン電子、わずか2社だけだ。
TSMCとサムスン電子はともに2025年中に2ナノの量産を開始する。半導体の量産には安定的な良品率管理などが必須だが、プロセスが微細化するほど技術の難易度が急速に上昇する。
ファウンドリーの経験が長いTSMCとサムスン電子でさえ、超微細プロセスの生産性の限界を克服するのは最大の難題と評価されている。
サムスン電子とともにTSMCも2ナノから半導体の微細化によるリーク電流を減らすために、次世代トランジスタ技術であるゲートオールアラウンド(GAA)を導入する予定だが、ラピーダスは既存のフィンフェット(FinFET)だけでなく、GAA技術に対する理解もないという点が限界と見られている。
GAAは、電流が流れるチャンネルの4面を覆い、データ処理速度と電力効率を向上させる技術だ。サムスン電子は業界初で3ナノからGAAを活用してチップを量産することに成功した。
現代ビジネスは専門家を引用し、「2000年代に最先端ロジック半導体から手を引いた日本は、GAAはおろかフィンフェットすら理解できる技術者がほとんどいない」と指摘した。そして、「ラピダスはGAAを学ぶためにIBMの最先端半導体の研究開発拠点であるオールバニナノテク研究団地に100人の技術者を留学させたが、彼らの平均年齢は50歳を超えている」と指摘した。
このメディアは、ラピダスが2ナノの生産に成功したとしても、量産実績がなくグローバルな顧客の獲得が容易ではないと予想した。顧客であるファブレス(半導体設計専門)企業の注文を受けてチップを生産するファウンドリ事業の性質上、顧客の獲得の有無によって実績が大きく変わる。
現代ビジネスは、「経営者は70代で現場経験が不足し、量産は困難であり、成功しても購買者を見つけることができない」と述べ、このプロジェクトに1兆円の税金を注ぎ込むのは、経済安全保障という名の下で半導体産業が政府・官僚の利益となっているからだと述べた。