65歳以上の高齢者において、握力が弱いほど糖尿病の発症リスクが高くなるという研究結果が発表された。
イ・デソウル病院家庭医学科のソン・ヨジュ教授は、「この研究により、高齢者の健康管理における筋力の重要性を確認することができた」と述べ、「特に相対握力を用いた新たな分析方法が糖尿病などの慢性疾患予防に有益であることが明らかになった」と18日に発表した。
ソン教授は、2006年から2020年にかけて行われた韓国高齢化研究パネル調査(KLoSA)のデータを基に、65歳以上の高齢者で糖尿病を患っていない22,016名の反復測定データを追跡調査し、相対握力と糖尿病発症の関連性を確認した。
相対握力(HGS)は筋力と体格指数(BMI)を考慮した指標で、絶対握力(absolute HGS)をBMIで割った値として算出される。
この研究の結果、相対握力が高いグループほど糖尿病発症リスクが低くなることが分かった。握力を3つの分位に分けた場合、男性では相対握力が最も低いグループ(下位レベル)と比較して、中位レベルのグループは糖尿病発症のオッズ比(OR)が0.87倍、最も高いグループでは0.82倍に低下した。女性高齢者でも同様に、相対握力が最も低いグループに比べて中位レベルのグループはオッズ比が0.82倍、最も高いグループは0.79倍に減少した。つまり、筋力を高めることで糖尿病予防に効果があることが示された。
従来の研究が絶対握力に注目していたのに対し、今回の研究では体格を考慮した相対握力を使用することで、筋力と代謝疾患の関係をより正確に分析できた。これは、筋力強化運動、特にレジスタンス運動を通じて筋力を向上させ、同時に体格指数を減少させる取り組みが高齢者の糖尿病予防に重要である可能性を示唆している。また、高齢者の健康管理において筋力の評価と管理が重要であることを裏付ける研究となった。
ソン教授は、「相対握力と糖尿病の関係を調査することで、医療従事者を含む健康管理専門家が高齢者向けの個別化された治療計画を立てる際に役立つだろう」と述べ、「最終的には高齢者の健康維持と生活の質の向上に寄与できるはずだ」と付け加えた。