韓国政府が玩具や電子製品など一部の品目を海外から個人輸入することを事前にブロックすることで禁止とすることを発表してから、わずか3日で「撤回」を公表し、混乱を招いた。
韓国政府は19日、海外からの個人輸入に関するブリーフィングで、「個人輸入の全面的な禁止は物理的かつ法的に可能な話ではない」とし、政策を事実上撤回する立場を発表した。
そして「結論的から申し上げると、私たち(政府)が言及した80個の『有害商品を海外からの個人輸入することを全面禁止とする』ということは事実ではない」と強調した。
この発表に先立ち韓国政府は16日、KC認証(安全・保健・環境・品質などの法定強制認証制度を単一化した韓国の国家認証統合マーク)を受けていない80個の品目に該当する海外製品を個人輸入することを禁止すると発表していた。
KC認証は、安全・保健・環境・品質などの多くの分野を単一化した国家認証統合マークのことで、韓国政府が定めるの安全基準を満たした製品にのみ与えられるもの。獲得にかかるコストが数十万ウォンから数百万ウォンと高額で、定期的な更新をしなければならないため、海外企業がKC認証を取得し、管理するのはかなり厳しい。これにより、KC認証を義務化する措置は、事実上の個人輸入禁止措置と見なされたのだ。
韓国政府は撤回の代わりに、韓国国内に搬入された80個の品目について、来月中に有害性調査を行う予定だと明かした。全面的な個人輸入禁止ではなく、有害性調査から始め、その結果を通じて事前に個人輸入をブロックするなどの対策を検討する手続きを踏んでいくということだ。有害性調査の前であったり、該当する品目でなければ、引き続き自由な個人輸入が可能だ。もちろん、調査の結果、有害物質が検出されなければ、個人輸入禁止品目から除外されることになる。
例えば、「ベビーカー」の個人輸入は今後も可能だが、後に政府の調査で人体に有害と判断された特定のメーカーのベビーカーモデルは個人輸入がブロックされるということだ。
また、唯一の安全基準として掲げてきたKC認証そのものについても再検討に入る。他の国の安全基準などを検討し、反映するとのことだ。キム・サンモ国家技術標準院製品安全政策局長は、「電気製品・生活用品安全法、子供製品安全法にある68個の商品の個人輸入の安全性を確保するために、法改正を通じてKC認証を受けていない品目の個人輸入を禁じする方策を提案していた」とし、「KC認証が唯一の方法ではないので、今後は様々な意見を収集し、法改正の可否を慎重に検討していく」と述べた。
このような中で、韓国政府がKC認証のない品目に対する個人輸入ブロック方針を事実上撤回すると、国内の中小企業生産者は公平性の問題などを挙げて反発した。あるオンラインコミュニティの利用者は、「外国製品は政府の一方的な有害性検査だけでいいのに、韓国製品はKC認証が必須なのか」とし、「韓国の中小企業生産者だけが犠牲になるのか」と述べた。