4月末、11月のアメリカ大統領選挙を控え、選挙資金が不足しているドナルド・トランプ前大統領は、共和党予備選挙の強力な競争相手だったが、今年1月に撤退を宣言し、トランプ支持を表明したロン・デサンティス フロリダ州知事と非公開で会談した。現地メディアは、共和党の2人の重鎮が大統領選の共和党勝利に向けて協力体制をとる可能性があると伝えている。
「CNN」は、28日(現地時間)トランプ陣営関係者の言葉を引用し、フロリダ州パームビーチのトランプの邸宅で、この日デサンティスと数時間にわたり非公開で会談したと伝えた。関係者は、デサンティスはフロリダ州ハランデールビーチのシェルベイクラブでゴルフをしていたところ、トランプとの昼食の申し出に了承したと説明した。
この会談は、2人をそれぞれよく知る「Witkoff Group」の創業者であり不動産投資家のスティーブ・ウィットコフが仲介した。彼は5月3日にトランプのため資金調達イベントを開催する人物だ。「The Washington Post」は、デサンティスがこの日の会合でもトランプを支援することに同意したと主張した。
デサンティスは、2018年にトランプの支持を受けフロリダ州知事に当選し、その後トランプと同様の強硬な右派路線政策を打ち出し、「リトル・トランプ」と呼ばれた。トランプが2020年の大統領選挙でジョー・バイデン大統領に敗れ落選した後に、共和党内でデサンティスの影響力が拡大すると、彼を公然と牽制することもあった。二人の対立は、共和党予備選挙でさらに深まったが、デサンティスは、1月のアイオワ州でトランプに圧倒的大差で敗れた後、撤退を表明しトランプ支持を発表した。
二人の会談は、1月のデサンティスの撤退表明後、初めて行われた。CNNはデサンティスがトランプを金銭的に援助する可能性があると分析した。イギリスの「The Financial Times」は21日、バイデンが昨年1月から今年3月末までに集めた選挙資金はトランプより1億ドル(約153億円)相当多いと報道した。
その期間、トランプは寄付金全体の約26%を法的対応費用に充ててきた。さらに、現地メディアはバイデンの場合、民主党予備選挙の始まりと同時に既に事実上の民主党候補者に確定しており、民主党への寄付金のほとんどを手にしていたが、トランプの場合にはデサンティスをはじめとする競争相手との間で寄付金が分散し、バイデンに比べて不利な立場にあったと分析している。
共産党関係者がCNNに明かしたところによると、デサンティスは4月初めに支持者と会った際に、トランプのために資金集めを開始すると述べたそうだ。デサンティスは1月にトランプ支持を宣言したものの、その後、トランプ、ヘイリー、どの候補者の選挙運動にも姿を見せていなかった。
デサンティスがトランプに手を差し伸べたのは、自身の政治家としてのキャリアをより高い位置にもっていくためだと推測される。デサンティスは、候補撤退後も支持者と連絡を取り続けており、次の2028年の大統領選挙を狙っているとされている。
また、彼は次期共和党政権で副大統領になることを否定した。デサンティスがトランプを支援するのは、2028年の大統領選挙を見すえて共和党内での自身の存在感ならびに人脈を維持するための対応とみられている。
一方、CNNが28日に発表した世論調査によると、トランプの支持率は49%で、バイデンを6ポイントも上回った。