
2月28日(現地時間)、米ワシントンのホワイトハウスで開かれた米・ウクライナ首脳会談の決裂を受け、共和党と民主党の反応が対照的だった。
共和党は、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領に対するアメリカのドナルド・トランプ大統領の批判がやや遅きに失した感があるとの反応を示す一方、民主党はロシアのみが利益を得る結果となったとして、トランプ氏とJ・D・ヴァンス副大統領を非難した。
民主党上院院内総務のチャック・シューマー氏はソーシャルメディアXに「トランプ氏とヴァンス氏がプーチン氏の汚れ仕事をしてくれた」と投稿。ミネソタ州のエイミー・クロブシャー民主党上院議員はXに、ゼレンスキー大統領が数百億ドルに上る米国の支援に幾度となく感謝の意を表明してきた事実を強調した。
コネチカット州のクリス・マーフィー上院議員は、「今回のホワイトハウスでの会合は、米国にとって屈辱的だ」と指摘した。
一方、ミズーリ州のエリック・シュミット共和党上院議員は「米国の納税者の金が浪費されている」とし、「トランプ氏とヴァンス氏の反応は適切だった」と擁護した。
サウスカロライナ州のリンゼー・グラム上院議員は、「米国民の目には、ゼレンスキー氏は交代すべき対象であり、状況が変わらなければ退陣すべきだ」と述べた。
ワシントン・タイムズは、3年以上続く戦争終結への第一歩となり得る資源協定の署名を期待してホワイトハウスを訪れたゼレンスキー氏が、米国とロシアの平和交渉を問題視したことに対し、トランプ氏とヴァンス氏が米国の支援に感謝の念を示さないとして反発したと報じた。
結局、資源協定への署名と共同記者会見はすべて取り止めとなった。
ディック・チェイニー元副大統領の顧問を務め、現在は外交政策研究所クインシー研究所の戦略ディレクターを務めるジョージ・ビーブ氏は、「ゼレンスキー氏が米国の情報、技術、武器などの支援を絶対的に必要としており、トランプ氏に見捨てられれば窮地に陥るだろう」と予測した。