20日(現地時間)、アメリカの電気自動車企業テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がアメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグでの共和党の選挙集会に出席し、演説を行った。
11月に予定されているアメリカ大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ前大統領を支持するテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が選挙法違反の疑惑をかけられている。大統領選挙までの期間中、毎日1名につき100万ドル(約1億5,000万円)を贈るとする約束が、票を金で買う「買収」行為にあたるのではないかとの指摘が出ている。
選挙の激戦州であるペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ州知事は20日(現地時間)、アメリカのNBC放送でのインタビューの際に、マスク氏の選挙法違反の疑惑について言及した。民主党所属で州の司法長官であった彼は、「司法当局が調査することができる」とし、「マスクが今回の大統領選挙で、どのようにお金を使っているのか、違法なお金がペンシルベニア州だけでなくペンシルベニア州の住民の手にどのように渡っているのかを知る必要がある」と述べた。また、現在の状況が「非常に心配である」と明らかにした。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)法学教授であるリチャード・ハーセンは、マスク氏の約束が「アメリカ連邦選挙において票を買う行為を禁じる重要な原則を侵害している」と主張した。ハーセンは「マスクは基本的に登録有権者に100万ドル相当の宝くじを運営している」と強調した。
トランプ支持のために特別政治活動委員会(スーパーPAC)「アメリカPAC」を設立したマスク氏は、以前に7つの激戦州において、修正憲法第1条(表現の自由)と第2条(銃所持権保障)への支持を誓約するオンライン請願を実施していた。マスク氏側は請願で激戦州の住民を推薦した者に対し、1名当たり47ドル(約6,900円)の報酬を支給していた。ペンシルベニア州では今月からその額が100ドル(約1万5,000円)に引き上げられた。
19日、マスク氏はペンシルベニア州ハリスバーグで行われた共和党の集会において、「できるだけ多くの人にこの請願に署名してもらいたいので、皆さんのためにサプライズプレゼントを用意した」と述べた。彼は、大統領選挙が行われる11月5日までの間、署名者の中から毎日1名をランダムに選び、100万ドル(約1億50万円)を支給すると約束した。なお、マスク氏が「アメリカPAC」に寄付した金額は、今年の第3・第4四半期だけで約7500万ドル(約111億円)に上るとされている。
現在のアメリカ連邦法では、投票や棄権などに対する対価として、お金や宝くじの当選機会など「金銭的価値のあるもの」を授受する行為は違法とされている。このような違反行為を行った者は、連邦法に基づき罰金または最大2年の懲役に処される。ただし、投票そのものではなく、請願に署名する行為や他の人を請願に推薦する行為は違法ではない。