
俳優兼小説家のチャ・インピョが、2年ぶりに新作を携えて読者の前に立った。
今月27日、海外メディア聯合ニュースや毎日経済などの報道によると、彼は同日、ソウル市中区(チュン区)において長編小説『私たちの町の図書館』の出版記念記者会見を開催し、執筆にいたるまでの過程や、作品に込めた動機について真摯に語った。
彼は「5作目となる小説を執筆できたのは誰のおかげなのか、自問自答を繰り返した」と振り返り、「僕が小説を書き続けられる理由は、作品を読んで自分なりの解釈を届けてくれる読者がいるからだと痛感した」と語った。
チャ・インピョの5作目の小説『私たちの町の図書館』は、古代高句麗時代の龍を描かなければならない画工「ボンガク」の物語を描く、現代の小説家「私」を描いた作品だ。 小説を読む読者も作品に介入し、現実と虚構の境界を崩す「メタフィクション」構造を持つのが特徴だ。
メタフィクション構造を採用した理由について、チャ・インピョは「小説の幕を開けるのは作家だが、それを完結させるのは読者だった」と語り、「こうした自身の想いを届けるプロセスを、作品の中に込めた」と説明した。
さらに彼は、韓国全国を巡り、ブックコンサートを通じて読者と直接触れ合った経験が、今回の執筆において大きなインスピレーション源になったと明かした。
チャ・インピョはこの日、『私たちの町の図書館』を執筆していた昨年8月、2022年作『人魚狩り』で「第14回黄順元文学賞(ファン・スンウォン文学賞)」の新人賞を受賞したことについても言及した。
彼は「受賞の知らせを最初に聞いたときは丁重に辞退しようとした」とした上で、「本当に感謝しているが、足かせになるような気もした」と告白した。
続けて「僕は大衆芸能人としてスタートし、今も大衆の愛を受けている人間なのに、長い間文学の道を歩んできた人たちがいる場で賞を受けるのが恥ずかしく感じた」と打ち明けた。
しかし、主催者側の説得により最終的に心を決めたというチャ・インピョは「作家が誰であるかによって作品の評価が変わるほど、単純に決定されたことではないという話を聞いた」とした上で、「長い議論の末に下された決定であるならば、謙虚に受け入れるのが正しいと思った」と述べた。
チャ・インピョは受賞後、負担感が大きくなったと告白した。
彼は「賞を受けてから約1ヶ月間、執筆を止めていた」とした上で、「文章が幼稚な気がして、何を書けばいいのか自分に対してより厳しくなった。結局、僕ができるのは自分のやり方で書くことだけだと思った」と振り返った。
翻って、2009年に長編小説『さらば峠』を世に送り出し小説家としての第一歩を踏み出したチャ・インピョは、その後も『今日の予報』や『人魚狩り』といった話題作を精力的に発表し、作家としての確固たる地位を築いてきた。 彼のデビュー作を改訂した長編小説『いつか僕らが同じ星を見上げるなら』は、英オックスフォード大学における韓国学の必須教材(必読書)に採択され、世界的な脚光を浴びた。