仮想資産の代表格であるビットコインが史上初めて9万4000ドルを突破した。仮想通貨市場プラットフォームのCoinMarketCapによると、同日午後2時時点でビットコイン価格は前日比0.50%上昇し、9万2115ドル(約1391万円)を記録したとのことだ。この日の未明には9万4002.87ドル(約1420万円)まで急騰し、わずか6日ぶりに史上最高値を更新した。韓国の仮想資産取引所であるアップビットやビッサムでも、価格は1億3000万ウォン(約1170万円)を超えた。
仮想資産市場全体の規模も拡大を続けており、この日一時的に3兆1300億ドル(約473兆円)を記録。依然として3兆ドル(約453兆円)の水準を維持している。
△ドナルド・トランプ次期大統領の仮想資産に対する好意的な姿勢、△ビットコイン現物上場投資信託(ETF)のオプション取引開始、△ロシアとウクライナの緊張激化などがビットコイン価格を押し上げたとみられる。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、トランプ次期大統領は商務長官にアメリカの投資銀行キャンター・フィッツジェラルドのハワード・ラトニック最高経営責任者(CEO)を指名したとのことだ。ラトニック氏はビットコインとテザー(USDT)の熱心な支持者で、キャンター・フィッツジェラルドは数年間テザーの米国債信託業者を務めていた。
また、仮想通貨専門メディアのコインデスクは、トランプ氏が仮想資産専門弁護士のテレサ・グッディ・ギレン氏を次期証券取引委員会(SEC)委員長に任命することを検討していると報じた。グッディ・ギレン氏は法律事務所ベーカー・ホステトラーのブロックチェーン実務共同責任者だ。
さらに、19日(現地時間)に取引を開始したブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)のオプション取引量が約19億ドル(約2870億円)を記録し、好調な滑り出しを見せた。ETF専門アナリストのジェームス・セイファートは「総35万4000件の契約が活性化され、そのうち28万9000件がコールオプション(82%)、6万5000件がプットオプション(18%)だった」とし、「このようなオプション取引がビットコインの史上最高値更新を可能にしたとみられる」と分析した。
一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が核兵器使用の可能性に言及したことで、代替資産への関心も高まっている。これにより、ビットコイン価格だけではなく、金価格も上昇を続けている。
アメリカ経済メディアCNBCは「仮想資産は金と同様に、多くの投資家にとって地政学的不確実性への『没収不可能な』長期的ヘッジ手段と見なされている」と指摘。昨年初めのアメリカの銀行破綻危機の際にも、ビットコインは安全資産として評価され上昇した経緯があると伝えている。